事例研究 「コア21」編 その2 [メディア掲載記事]

釘を任せることでモチベーションが上がり人材活性化に

白河部長自身3年ほど釘を叩いているが、技術には一抹の不安があった。釘による人材の活性化を図ろうと門を叩いたのが東京・上野にある「C&Eアカデミー」だった。1月19日、自らが受講したベーシックコース5日間は衝撃の連続だった。

「今まではメーカー指定のゲージ表でピッチを揃え、ヘソの開け閉めでスタートを調整していましたが、入校して今までやっていたことが一瞬のうちに打ち崩されてしまいました。まず、釘に対する考えの甘さを痛感させられました。釘1本1本に対する情熱、真剣さがものすごく伝わってきました。ゲージを全部きれいに揃えると玉の流れもある程度同じものが作れるようになった。これは衝撃的でした」(白河部長)

その後1ヵ月おきにマネージャー、釘調整未経験の班長2名がベーシックコースを受講する。

釘歴10年の新任マネージャーも「盤面の上段、中段、下段によって釘1本1本の角度を違えながらきっちり揃えることに徹することが、今までの自分にはなかった」と反省する。

白河部長が釘を重要視するのは、7月以降の主力機となる新内規に対する先行投資でもある。バラエティーに富んだ機種が出てくれば、スタートの開け閉めだけでは対応できなくなる。その時が来ても慌てないように釘による差別化を図るための土台作りである。

2月18日には統一ゲージを実践するためにオフィスジャパンの釘幅管理コンピュータ「スーパーチャンサ」を導入。

「これまでのコンピュータでは寄せの調整をやりましたといっても、それを証明する手だてがありませんでした。スーパーチャンサならいくらの釘幅でどこを釘調整したかも分かるのでオーナーサイドと現場の信頼関係の構築のためにも役立たっています」(白河部長)

3月にベーシック講座を終えた班長は早くも営業釘を叩く。

「きれいに釘が叩け、即戦力となっています。任せることで、釘に対する興味もどんどん出てきて問題点を追及する姿勢が出てきています。モチベーションが上がってきていますから人材活性化という所期の目的は達しています」(白河部長)とうれしい評価を下す。

4月現在、1月に比べ3000~4000個の稼働アップが見られる。平日でも3万個稼働を目指している最中で、それが達成できれば次のステップとして4万個を目指す。一時は9000個まで落ち込み「潰れる」とさえいわれたホールが、稼働率では地区2番手にまで回復してきた。

白河部長はステップアップ講座を終えたところだが、それでも釘教育はまだまだ始まったばかり。それが身に付いてきたスタッフが真の意味での“人財”となってくる半年、1年、3年後に同ホールがどのように成長していくのか注目していきたい。

今回の「コア21」のようなケースは、多くの中小ホールが抱える共通の悩みでもあろう。まず、白河部長のように経営サイドがいち早く気づき、行動を起こすことで従業員が育ち、会社も成長する。どんな大手ホールでも最初は1店舗から始まっているのだから。

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