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事例研究 「コア21」編 その4 [メディア掲載記事]

匠イズムの確立

ホールは完全に別のホールに生まれ変わっていた。島間はそれまでの1メートル80センチから2メートル70センチまで拡大されていた。

2階のテナントが撤退したため、150台のスロットコーナーが新設されていた。

増台だけではない。設備も最新鋭のものが吟味され、スロットコーナーには自動補給装置が導入されていた。

新井班長は同ホールが統一ゲージを採用したとき、1期生としてC&Eアカデミーでベーシックコースを受講した一人だ。ステップアップ講座を経て、今は全台のヘソ釘を担当している。

「だいたい150台ぐらいを任されています。ゲージはそうとうきれいに叩けるようになりました。同じ機種なら全台同じゲージになっています」と胸を張る。

ピーワールドで同ホールのホームページを覗いてみると釘に対する自信がこう表されている。

「当店、腕自慢の釘職人が釘1本1本に願いを込め、自信の調整。その技はまさに『匠』」とスーパー海物語のイベントの日を「匠海」の日と名づけるほど。

全スタッフは約30人。そのうち1/3が正社員で、釘は正社員になる登竜門として位置づけられている。

「C&Eアカデミーの統一ゲージを料理の世界に例えるなら、それまで砂糖ひとつかみの世界だったものが、15gの世界になった。モノの見方が統一できるようになった」と姜有司部長も評価する。

今では社内で釘を教えられる社員が育ってきた。現在8名が釘を叩ける。

つづく

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事例研究 「コア21」編 その3 [メディア掲載記事]

あれから2年半。 本誌2004年6月号の人材教育最前線で紹介した東京・江戸川区の「コア21」の追跡取材を行った。 同ホールはパチンコ営業の要である釘をC&Eアカデミーが推奨する統一ゲージでホールの再生を目指した。

2フロアーにリニューアル

「コア21」は都営「船堀駅」前にある。
隣接する競合店が523台に増台したことから、2万個稼働が2カ月間で9000個稼働までに落ち込んだ。

常連客からは「いつ潰れるの? 商売換えしたら」と屈辱的なことばを浴びせられた。

倒産するとまでいわれたいたがC&Eアカデミーで統一ゲージを学び、現場で実践。3カ月で3万個稼働を突破するところまで盛り返してきた。

あれから2年半。

かつては駅前エリアで5店舗がしのぎを削っていたが、今は4店舗に。

総台数237台だった「コア21」は、昨年8月に全面リニューアル。2階にスロットコーナーを新設して398台に増台していた。

取材に応じてくれた白河仁氏の名刺の肩書きは部長から専務へ昇格していた。

「安定稼働と安定粗利の確保を念頭に、競争に立ち向かいながら店舗運営ができた。会社の存続をかけてトータルバランスを取りながらやってきた結果、銀行からの信用も得られ融資も受けられるようになった。この2年半取り組んできたことは無駄ではなかった」と穏やかな口調で語り始めた。

つづく。

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事例研究 「コア21」編 その2 [メディア掲載記事]

釘を任せることでモチベーションが上がり人材活性化に

白河部長自身3年ほど釘を叩いているが、技術には一抹の不安があった。釘による人材の活性化を図ろうと門を叩いたのが東京・上野にある「C&Eアカデミー」だった。1月19日、自らが受講したベーシックコース5日間は衝撃の連続だった。

「今まではメーカー指定のゲージ表でピッチを揃え、ヘソの開け閉めでスタートを調整していましたが、入校して今までやっていたことが一瞬のうちに打ち崩されてしまいました。まず、釘に対する考えの甘さを痛感させられました。釘1本1本に対する情熱、真剣さがものすごく伝わってきました。ゲージを全部きれいに揃えると玉の流れもある程度同じものが作れるようになった。これは衝撃的でした」(白河部長)

その後1ヵ月おきにマネージャー、釘調整未経験の班長2名がベーシックコースを受講する。

釘歴10年の新任マネージャーも「盤面の上段、中段、下段によって釘1本1本の角度を違えながらきっちり揃えることに徹することが、今までの自分にはなかった」と反省する。

白河部長が釘を重要視するのは、7月以降の主力機となる新内規に対する先行投資でもある。バラエティーに富んだ機種が出てくれば、スタートの開け閉めだけでは対応できなくなる。その時が来ても慌てないように釘による差別化を図るための土台作りである。

2月18日には統一ゲージを実践するためにオフィスジャパンの釘幅管理コンピュータ「スーパーチャンサ」を導入。

「これまでのコンピュータでは寄せの調整をやりましたといっても、それを証明する手だてがありませんでした。スーパーチャンサならいくらの釘幅でどこを釘調整したかも分かるのでオーナーサイドと現場の信頼関係の構築のためにも役立たっています」(白河部長)

3月にベーシック講座を終えた班長は早くも営業釘を叩く。

「きれいに釘が叩け、即戦力となっています。任せることで、釘に対する興味もどんどん出てきて問題点を追及する姿勢が出てきています。モチベーションが上がってきていますから人材活性化という所期の目的は達しています」(白河部長)とうれしい評価を下す。

4月現在、1月に比べ3000~4000個の稼働アップが見られる。平日でも3万個稼働を目指している最中で、それが達成できれば次のステップとして4万個を目指す。一時は9000個まで落ち込み「潰れる」とさえいわれたホールが、稼働率では地区2番手にまで回復してきた。

白河部長はステップアップ講座を終えたところだが、それでも釘教育はまだまだ始まったばかり。それが身に付いてきたスタッフが真の意味での“人財”となってくる半年、1年、3年後に同ホールがどのように成長していくのか注目していきたい。

今回の「コア21」のようなケースは、多くの中小ホールが抱える共通の悩みでもあろう。まず、白河部長のように経営サイドがいち早く気づき、行動を起こすことで従業員が育ち、会社も成長する。どんな大手ホールでも最初は1店舗から始まっているのだから。

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事例研究「コア21」編 その1 [メディア掲載記事]

業界メディアに掲載された過去の記事から釘教育の研究事例を紹介します。
以下の記事は2004年6月号のプレイグラフに掲載されたものです。役職は当時のものです。


競合店の増台で瀕死の状態に落ち込む

東京都江戸川区の都営「船堀駅」には5店舗のホールがしのぎを削る。

「コア21」(白河秀夫社長)は、そのうちの1軒で総台数273台。営業歴は6年。現在運営するホールは同店のみ。

現場を預かる白河仁部長(31)は、パチンコ未経験から業界に参入して5年。社員6人、アルバイト16人で運営している。

無風状態だった駅前のパチンコ勢力地図が激変したのは今から2年前の8月。同ホールの一番の競合店が大幅な増台(523台)を果たした。

影響はすぐに現れた。2万個あった稼働は9月には1万5000個まで下がる。10月は1万ラインを割り9000個まで落ち込む。売り上げも300万円という地獄の月が2カ月ほど続いた。

馴染みの客からは「いつ潰れるの?  商売替えしたら」と屈辱的な言葉も浴びせられた。増台の余波で同業者からも一番最初に潰れるのは「コア21」というのが衆目の一致するところだった。

眠れない日が続いた。

一縷の望みを釘に託し朝まで叩いたが、歯止めはかからなかった。仲間の先輩からは「店の責任者が釘しか見ていないから稼働が上がる訳ない。もっと全体を見て分析しなければ」とアドバイスされた。

年末、地区のトップを切って新海物語を導入した。効果は絶大でパチンコの稼働が上向いてきた。2月なっても稼働は下がらなかった。この間、自店に足りないものを模索し、ライバル店に勝つ工夫を考え3月、リニューアルに打って出た。

「一番足らなかったのは従業員の意識でした。お金だけもらっていわれたことだけをやればいい、という社員が多かった。

会社を変えるにはトップが変わらないとダメということにも気づき、改装を機に『僕について来れない人は辞めてもいい』といったら、マネージャー、サブマネージャーなど社員6人中4人が辞めました。彼らが上に立っていたから、僕の考えもアルバイトに伝わっていないことが分かった。結果的にはこれで組織が入れ替わった」(白河部長)と新たな決意でリニューアルオープンした。

一番に潰れるといわれていた同ホールは生き残ったが、他の1店舗が閉店に追い込まれた。

つづく

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