自我状態から学ぶマネージメントその⑤ [幹部研修会]

目標に向かう場合、困難や障壁があるのは当たり前です。これを越えるから強くなれるのです。

従って、障壁をなくそうとはせずに、最初からあるものと捉えることです。

変化を導入するときは、心理的に脅威に感じる集団は間違いなくいます。それで、止めようとか、逃避しようとか、抵抗する。

もう一つの集団は現状維持派。今のままでいいじゃないか、と無関心を装います。

さらに手ごわいのが、表面上は「賛成」といいながら、でも、まったくやる気がない。むしろ、抵抗勢力よりもこちらのほうがやりにくい。

数は少ないけど、変化を「チャンス」と思える人もいる。

組織の中では変化を肯定的に捉える人は2割。残りの8割は維持か抵抗です。

障壁を乗り越えるためには、会社は「障壁」という川に橋をかけてやらなければいけません。橋をかけるときに重要になるのが、意図と方法です。

意図が弱ければ、方法もそんなに出てきませんが、意図が強ければ強いほど、方法は無限大に生まれます。

つまり、方法が生まれないのは企業目的がないからです。

企業目的を表現したらビジョンになります。

ビジョンがあり、目的が明確であれば、どんな障害があっても乗り越えられるものです。

自分の能力の限界を越えるということは、能力以上の人と縁を結んでいったら、越えられるようになるものです。

営業本部の役割はPDACをコントロールするところです。

つまり、本部は経営判断をしなければなりません。

実行するときは誤差が発生します。その誤差を管理しながら、改善項目も全部やって経営判断をする。当社のシステムの中には経営判断できる機能がすべて入っています。

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自我状態から学ぶマネージメントその④ [幹部研修会]

私の自我という状況を分析しなければいけません。

他人の心の部分は分からないものですが、管理職は分からない部分も見ていかなければなりません。

TAという心理学を研修でも応用しています。TAとは、Transactional Analysisの略で、アメリカの精神分析医、エリック・バーン博士によって提唱された人間行動に関する理論です。簡単に言うと心を見える化して数値化したものです。

人は誰でも心の中に5つのキャラクターを持っているといわれます。
まず、一つ目の「CP」は、厳しいけれど正義の味方のお父さん。
二つ目の「NP」は、暖かくやさしいけど、少し甘やかし気味のお母さん。
三つ目の「A」 論理的、客観的なしっかりものの大人。
四つ目の「FC」は自由奔放でワガママだけど創造力のある子供。
五つ目の「AC」は、従順で協調性のある、少し引っ込み思案な子供です。

人間は生まれたときはFCの塊で生まれます。そこから3歳ぐらいまでにFCとACが出てきます。FCが押し付けられたとき、ACのエネルギーが出てきます。

これでCPの強い親の元で育った子供はACしか出なくなります。親の厳しさに順応はします。厳しい親に育てられるといい子でいようとするのですが、内面的には反抗心があったり、自分はダメな人間なのだとクヨクヨする感情を持ってしまいます。

FCは親がNPだと反応します。

「あなたはいい子ね」とかわいがられ、自分は親から愛されている、と自由奔放に育ちます。「I am ok」という感情です。

逆に「お前はダメなやつだ」といわれ続けて育つと「I am not ok」という感情になります。この2つの感情が行ったり来たりして、どちらが強いかでその人の特徴が現れます。

CPが一番強いと口うるさく、厳格です。いい面は几帳面でルールを守る。理想を求め、志も高い。それだけに、現実と理想のギャップで、できていない場合は叱り過ぎる面があります。

NPは人間の愛情の部分です。人に対するメンテナンス機能で、困っている人を見るとついつい助けてあげたくなる。できない子がいると応援したくなる。褒めて、助けてあげたくなる。

リーダーにはCPとNPの両方がある一定の高さで備わっていなければダメです。親の自我の状態でなければ部下は育成できません。

こうしたリーダーがいない会社の生産性は低い。

職能や技能以前の話で、人間力としての問題です。

AはCPとNPのコントロールタワーです。自分の中の冷静な部分で、これがなければ、計画的に目標は立てられません。

月間、週間、日別の目標があって、各機種ごとの個別台の調整がある。アダルトの部分が低いと大雑把になり、個別台の調整も面倒くさくなる。

アダルトという自我状態を高めていないから、物事が分からなくなる。アダルトの低い職人が業界にはい一杯います。

FCは人間本来の生まれたままの姿です。インスピレーションがあって、アイデアマンで、何事にも興味を持って、挑戦します。

新たな物事に挑戦する場合、FCの高い人は興味を持ちます。怖さよりも見たいもの見たさです。

ACが高い社員が多いと自ら進んではやりません。いわれたことしかできません。

人間というのは分かりにくいものです。心の状態を数値化して、他人の心を客観的に分かり合えるものは他にありません。

人間の分かりにくい、心の部分が分かるのですから、釘を分かるようにすることは、それに比べると簡単なことです。

釘もこれまで見えなかったものを数値化して見える化したのが統一ゲージです。

統一ゲージは単純にゲージを統一するものではありません。見えない心を見える化するように、見えない釘を見えるようにしたものです。

釘に対してひたむきにやると、お客様に対して釘が曲がっていると「不快な思いをされる、そんなことではいけない」と思いやりの心が生まれます。

まず、お客様に喜んでいただける釘に似興味を持ち、日本一の釘にしようとする志を持つことです。そのためには毎日訓練して、どのようにすれば、どのような成果が生まれるか探究心が生まれます。

TAと釘もすべて結びつくものです。



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自我状態から学ぶマネージメントその③ [幹部研修会]

気づきの次が他者理解です。

他者理解ができないと管理職にはなれません。そして、他者理解から共感的理解へと高めていく。共感的理解まで行くと、理屈抜きということになる。

理屈で動かそうとすると、理屈で動く人とでは理屈同士の対立となります。だから理屈抜きという共感的理解が必要になってくるわけです。

つまり、その人が何をいったかではなく、誰が何をいったかのほうが大きい。

例えば、「あの人がいったことだからしかたない」と共感しているので理屈抜きで命令に従う。

共感してもらうためには、全人格すべてのものに対して、尊敬されているところまで行かなければなりません。

ところが、そんなところまで行っている組織はありません。でも、社長にはそういうところまで求められます。

「しかたない、社長のいうことだから」と諦めではなく、全人格的に持っているその人の心の深さとか、志の高さとかに共感している。

だから、そうなるためには社長は明確なビジョンと明確な哲学を持って社員を包括するぐらいの社長の深さと大きさを持たなければなりません。

社長といっても初めからそういうものを持ち合わせているわけではありませんが、社長という職務にいる限りは、そのような人格になれるように、挑戦し続けなければなりません。

元々、社長に能力があるわけではなく、社長という職務がそうさせるのです。

では、部長という職務は何でしょう?

部長というのは営業利益を上げ、もっともっと社員を成長させることです。そのためにも自分自身がもっともっと大きくならなければなりません。

「これで十分」というのは本来の職務ではありません。

つづく

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自我状態から学ぶマネージメントその② [幹部研修会]

私という存在を自分で紹介してみてください。5分間でどのぐらい自分のことが語れるかのテストです。

最低15項目以上自分を表現しなければ、管理職としては失格です。管理職が自分のことを分かっていないのに、部下を指導、育成することはできません。

管理職研修ではまず、最初にこの問題を出します。先日も30人の管理職を集めて研修を行いましたが、15項目も書けなかった人が80%です。

ということは、自己概念ということをほとんどの人が知らない、ということです。自分自身を客観視して、自分を見ることが分かっていない、ということです。

管理職が自分自身を分かっていないのに、どうして部下の評価ができるのか。自分自身に気づいていない人は「曖昧」ということです。だから、部下の指導、育成はできない、ということです。

まず、自分自身を分析して自分自身を語れること。

業績を上げていこうとしていく前に自分がどんな人間なのか、自己に気づかないといけません。これが業績を上げるための第一ステップです。

その次に自己理解です。

自己理解を深めることで、自分の志や哲学的に自分が何のために生きているのかが語れなければいけません。

自己に問いかけてやっていくと、自己の内面のことで行動しているのが出てくる。

潜在意識の中には、一杯持っているのに、顕在化されていない分かっていないことが一杯あります。

気づくということは顕在化された、ということです。

何万年も生き続けている人間の遺伝子の中にはメモリが入っているのに、それを使っていないだけです。

「自分は持っているのに、でも使っていない」という気づき。

頭が悪いとかではなく、潜在意識の中には一杯持っているのに、顕在化されていない。気づくとは顕在化された、ということです。

つづく

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自我状態から学ぶマネージメントその① [幹部研修会]

人間の心理とマネージメントはリンクしています。

人間は遺伝子学的に見ると種の保存と成長本能のメモリが組み込まれています。それがなければ人類は消滅しています。

成長の欲求、生存本能、愛の欲求などの遺伝子が連綿と引き継がれて人類は存続しているともいえます。

人間にはお互いを信じあって、お互いを助け合って成長する、というメモリが組み込まれています。

「オギャー!」と生まれた時の赤ちゃんは人を疑うことはありません。

要領よく生きるとか、人の上前をはねるとか、赤ちゃんにはそんな考えはありませんね。

しかし、現実の社会の中で親が経験して、体験したことが小さい頃から教え込まれていく。さらに、いじめられたり、失敗したり、騙されたりしていく中で、人間は信じられないという価値観や観念が親から子へと受け継がれていきます。

その一方で「違う! 確かに人間にはそういう一面もあるが、本来は愛すべき存在で、信じあえるのが人間」と教え込まれた人たちは、人間は信じあえるものだと思っています。

脳みそが発達していく過程の中で、われわれの精神、心というのは作り上げられていくのです。

脳の発達と自我の形成はイコールです。

脳が大きくなっていく間に、マイナスの感情、否定的な感情をどんどん受けてくると、人間のものの見方の基準は、否定的になってきます。

潜在意識が顕在化したときに出てくる言葉は、「それは無理」「そんなことはできません」とほとんどの人がそういう。

ところが、小さい頃から「人間は挑戦していこう」といわれながら育った人は、自分で自分を教育しながら「やってみなければ分からない」という言葉が出ると共に、そういう価値基準を持っています。

そういう2つの違いが人生にどんな影響を及ぼすかといえば、疑り深い人は疑り深い人生に終始することになります。

つづく

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価値観の入れ替え [雑記]

会社の目的には利益を上げて存続することのほか、社員の働き甲斐や、社会貢献などがあります。

その手段として、ホール経営をやっているわけですが、やるからには他所より絶対いい店でなければなりません。

いい店とは、ずばり利益が出せることです。利益作りのための生命線ともいえるのが釘です。釘の技能は、訓練すれば上達はします。しかし、志がなければ成功しません。

釘の学校であるC&Eアカデミーにはベーシックコース、上級コース、現場コースの3つのクラスがあります。

ベーシックはゲージを作ることが基本です。ハンマーで釘の芯を叩く音を聞き分け、釘を上下、左右の角度を1回で合わせられるまでになるのが、ベーシックです。

このとき、釘を上達させるには、体に負担をかけることが必要です。体が楽であるということでは上達しません。

上級コースはゲージ表通りに合わせられるか、スタートを合わせられるか、実射して玉の流れをコントロールできるか、という実践段階へと入っていきます。

現場コースは、いよいよ現場での実践です。20台で100万円の粗利を取るとか、具体的な数値目標を掲げて釘調整に挑みます。

月間計画を反映しながら、スタートをいくらにする、そのためには釘幅はいくらにする、さらに他機種との兼ね合いを見ながら決めて、その通りに調整していき、目標数字に到達することが求められます。

こうした個人の技術者を何人育てられるかによって、店の強さが劇的に変わってきます。

釘をアウトソーシングしているホールが、自前で釘担当者を育てるには、仕事の価値観の入れ替えが必要になってきます。

金のために釘を習う、という低次元な理由ではなく、これは「お客様のためにやる」という確固たる信念に基づいてやることです。

それによって、業績がよくなれば、回りまわって給料がよくなるものです。

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業績を上げるための心理学 [雑記]

交流分析という心理学がある。これは1950年代にアメリカの精神科医バーン博士によって提唱された心理学理論で、日本で一番最初に取り入れたのが日航と全日空。

客室乗務員はお客様の命を預かっている。狭い機内で万一トラブルがあったときは迅速に対処しなければならない。

その際、自分の心理もお客様の心理状態も手に取るように分かっていなければならない。トラブルがあったとき、どんなことをすれば安心できるのか。つまり心の見える化。交流分析とは心を科学の目で数値化して理解する心理学である。

これがパチンコにも応用できる。

バーン博士は精神が子供の頃の経験によって形作られるP(Parent、親)、A(Adult、成人)、C(Child、子供)の3つの自我状態があると仮定した。

一般的に人々はこの3つの自我状態のいずれかに属している。

それぞれの状態はさらに分割される。

CPは責任感があって信念が強い。反面厳しくて口うるさい。

NPは優しくて愛情を持っているけど、甘やかしすぎて過保護にする。

Aは冷静沈着で計画性がある。物事を客観的に見るが、行き過ぎると評論家になる。

FCは天真爛漫で明るくて自由奔放。でもわがまま。

ACは謙虚で穏やかで素直だけども劣等感を持ちやすい。

という心理状況が分かってくると、お客様をどの自我状態にすれが、売り上げが一番上がるかが分かってくる。

お客様が来店しました。

一番最初、お客様はアダルトの状態で来店する。この店で勝てそうかどうか情報を集める。ポスターに新台導入の文字。新台なら勝てそうだな、と判断してそして打ってみる。

ところが、回らない。すると、「何だ回らないじゃないか」と批判を始める。そして、最後は打つのを止めて店を後にする。

ということはCPを出させないことだ。

CPを出させないための店舗作りをどうすのか?

それともう一つ、FCを出させること。FCは楽しいこと、面白いことが好き。お金のことも考えない。

つまり、パチンコに来たお客様には長くいてもらって、そして、お金を使っていただくためには、このFCの状態にしなければいけない、ということ。

では、FCの状態は何に反応するか、といえば、NP、お母さんの優しい愛情に反応する。

女性スタッフの戦力化をどうするか、ということで、玉箱を運ばせるよりも女性は女性らしさできれいで、美しい母親の愛情でお客様に接するほうがいい。

例えば、キャバクラは時間ギリギリにかわいい子をつけてくる。そうすると鼻の下の長いお客は「もう1時間延長」となる。

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ホール経営ビジネスモデル再構築セミナー 美山正広編その② [再構築セミナー]

新店を全国大手や道内大手が鎬を削る地区に出店した。

ローコスト店舗で、玉を出して薄利多売でやっているが、ファンが減っている。ということはファンには通じていないということだった。

1台当たり5万円を作るのに、どれだけのコストをかけているのか? この5万円を作るのにお客様は喜んでいたのか? 

出店前は社内から「楽勝ですね」という声も上がっていたが、いざ、ふたを開けてみると全然勝てない。

海も大量導入したが勝てない。

台粗600円でやって、見た目の稼動は保ったが、経営的には赤字だった。

しまいには「あんな場所に出店した会社が悪い。おれたちは悪くない」という声が聞こえてきた。

これでは成長する余地はない。

ニコパチに反対していたが、ニコパチをやったのは1年後だった。

すると1.5倍の稼動で台粗も上回った。

結局、機会損失を1年間続けたことになる。

営業の原点、利は元にある。

仕入れたものを高く売って利益が発生する。

パチンコの日々の営業管理は釘調整であるが、個人差、バラツキがあり、利益損失があった。

そこで釘の調整技術の徹底を図った。

パチンコ業界は見えるものから変わった。

戦闘、戦術、戦略はある程度見えるので、それを真似ていた。戦略や戦術は時代とともに変わるが、変えてはならないのが理念やビジョン。

見えない価値の重要性にトップは気づかなければならない。

1000億円にするまでは社員に対して戦意を求めたが、1000億円を達成するとプラスして戦力(釘、計数管理能力)を求めた。

店は赤字を打って玉を出しているのに、稼動が上がらないのはお客様に出ている、という実感がないためだ。

伝えたい情報と伝わった情報は違う、ということでもある。

ということはトップの意思が最大のエネルギーにならなければいけない。

トップが変わらなければ、会社は変わらない。

決断すると人の話を聞きに行き、学びに行く。

それでも失敗することは多い。

でも、気づき力が大事。気づいたら変える。そして確実に実行すること。

その方向が正しいかどうか分からないけど、決断しないと前に進まない。

決断しないと確実に衰退する。



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ホール経営ビジネスモデル再構築セミナー 美山正広編その① [再構築セミナー]

弊社が2007年4月26日に主催した「ホール経営ビジネスモデル再構築セミナー」より、講演録を抜粋します。

■第二部 ㈱正栄プロジェクト・美山正広代表取締役社長

講演テーマ「激しい市場競争を勝ち抜く挑戦する心」

売上高が2000億円を超えたとき、社内風土が官僚主義的、セクト主義的になっていた。この体制で出店してもいい会社にはなれないことを感じ始めていた。

そこで着手したのが社員教育の前に、人間教育だった。

社員としての8時間より、人間として生きている24時間を豊かにするために。

自分とは何者か? この仕事を通じて何がやりたいのか? その辺りから見つめなおした。

能力主義よりも共感主義。ガバナンスをしっかりしなければ外からの資本は入ってこない。そこでISOを取得したり、監査法人と監査契約を結び、上場企業という気持ちで経営している。

最終的に重要なことは、経営理念を持つこと。
さらに経営の目的を持つことが大事で、それをトップがいい続けることが大事。

2000億円を超えたことで、気づいたことが一杯ある。

売り上げは上がったが、財務内容がよくなかった。得たもの失ったものは何か?

2000億円を超えた第3ステージではパチンコ版ビッグバンが起こる。

財務と人材にダメージを受けた。年間で11店舗も出店したため、人事戦略は滅茶苦茶無理をかけた。そのため、出店した店舗が軌道に乗るまでに倍の時間がかかった。

株主に約束した利益を出すことができなかった。責任を感じた。

組織を立て直し、本部長制をやめてすべてフラットにした。営業は直轄型で私の下に置いた。

社内風土が官僚的になっていた。

非常時にはトップが決断して変えるしかない。決断と責任はトップが取る。

人事の混乱も起きた。

本部長がいらなくなった。エリアマネージャーもなくなった。降格人事と取られて辞める幹部もいた。掲げた目標が理解してもらえなかった。

依存型から自立型に転換中のこの時期しか変えられない、と思った。

5号機問題は1年半前からシミュレーションを重ねた。

今後5年間一切の出店を止めて、売り上げをスロットから40%ダウンさせてやっていけるのか? 最悪のシミュレーションをやった。

そのとき、スロットの売り上げを捨てる決断をした。

それまでは、1台当たり5万円を維持することを目安に、これがお客様の支持だと思っていた。

大型店、多店舗展開、メイン機軸になる機械を入れて、イベントを繰り返し、客単価を上げる。

客数を増やしたのではなく、客単価を上げての5万円だった。

この勝ちパターンが通用しなくなった。やったことといえば、1人当たりの客単価を上げただけだった。

台売り5万円がわれわれの存在価値だと思っていたが、これを捨てて低玉貸しにシフトした。そうしなければ生きていけないから。

1円貸しに対してエリアマネージャーは「無理」「できない」「粗利が取れない」と反対した。

どんどんマーケットは変わっている。

そこで昨年4月23日に踏み切った。1460台を低玉貸しに移行して売り上げを捨てた。

できない常識が簡単に変わった。非常識が簡単に常識に変わった。

われわれがやっている常識は正しいのか?

松下幸之助は「執念ある者は可能性から発想するが、執念無き者は困難から発想する」という言葉を遺している。

反対するものは1円パチンコができないと困難から発想していた。

今まで大切にしてきた価値観を捨てることはトップが決断しなければならない。

そこで売り上げという目標を捨てた。

つづく

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ホール経営ビジネスモデル再構築セミナー 木村勝男編その③ [再構築セミナー]

経常利益を1億円として、100人で儲けるのと10人で儲けるのはどっちが上か? 1人当たりの生産性を高かめることに気づいた。

B/Sは事業の結果として作るものではない。社長が意図して作るもの。

この時2つの経営ビジョンを掲げた。
①100年企業
②B/Sのモデル企業を作る
③企業再生のトップ企業を目指す

経営とは売り上げを増やすことではなく、純利益を増やすこと。
1年で1億円貯まるとすれば、10年では10億円になる。これを税金のかからないケイマン諸島に移したところで、これは表に出せないので、力のないお金しかならない。せいぜいラスベガスで使うぐらい。

10億円の税引き後の6億円はすごい力を持つ。6億円の資本金になると都銀が注目する。これが10億円になると証券会社が上場を勧めてくる。

B/Sはビジョンが立てやすいし、社員も育つ。B/Sは変化対応資金であり、企業存続、新規事業開発資金でもある。

ピンチとチャンスは表裏一体。いつも危機感を持たなければいけない。

パナソニックは構造改革資金=リストラ資金として貯めていた。これで業績が持ち直した。一番危機感がないのは中小企業。財務内容も分かっていない。大企業ほど危機感を持っている。

B/Sがよくなると外部からの資金が入ってくる。
資産運用額が20億円のときに、10年後の資産運用金額を1000億円と発表して、投資する会社を探した。2番手と3番手には断られたが、1番大手のダヴィンチ・アドバイザーズが資本金7億円を評価して10億円出資してくれた。

企業再生と事業再生は違う。その事業がダメなら全部止めて新しい事業をすることも企業存続のためには必要になる。例えば、広島のヒロボーは元々紡績会社だったが、今は工業用のヘリコプターを作っている。

ビジョンのない、夢のない会社に夢のある社員は残らない。

経営資源は人、モノ、カネ、情報といわれている。これを足して4ではなく、10にも50にもするのが経営であり、経営資源を使って付加価値を出すことが経営でもある。

最終的には人がカネや情報を集めてくる。

従って経営者はスペシャリストになってはダメ。コーディネーターにならなければいけない。経営は人に始まり人に終わる。

自分のところに金はなくても世の中にはカネがある。それを引っ張ってくるのが人。人財とはお金を稼げる人のこと。

人が育つ会社にするためには、ベクトルや理念が合う会社でなければ人は育たない。



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