事例研究 「コア21」編 その5 [メディア掲載記事]

パチンコ営業は出すのが先

全面リニューアルして3カ月。取材した時点では、地域一番店に到達していないのが現状だ。この課題をどう取り組めばいいのか。

「増台して増えた利益はお客さまからの預かりもの。それをどう返していくか。金銭出納・呼吸の法則に増客のヒントが隠されています」と切り出したC&Eアカデミーの新井博貴代表はパチンコ業界が陥っている現状をこう指摘する。

「金銭出納帳の文字を見れば分かるように、出すのが先に来て、納めるのが後。呼吸も吐くのが先で、吸うのは後。英語でもgiveが先でtakeが後。これを商売に置き換えれば、サービスが先で、利益は後。
これこそがクロネコヤマトが急成長した経営理念で、自然の法則です。昔は新台を育成するために利益を取らずに十分遊ばせてから回収した。今のパチンコは業界はそんな余裕のない高コスト体質の営業形態に陥っています」

同社の釘幅管理コンピュータ「スーパーチャンサ」に搭載されているアウト別管理表で分析するとこんなデータが見えてくる。

たとえば、アウト0~5000個の特賞確率は1/1000以上を超えている。特賞出玉は3000個を切っている。

玉粗利に至っては2~3円ぐらいで回収している計算になる。

このレベルの台は圧倒的に負けている人が多い。

つまり、顧客不満足を撒き散らしていることになる。こういうコーナーが多々あるということは、店の経営姿勢や営業技術にお客さまが不満を持つようになっている。

この出血を止めなければならない。

つづく

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事例研究 「コア21」編 その4 [メディア掲載記事]

匠イズムの確立

ホールは完全に別のホールに生まれ変わっていた。島間はそれまでの1メートル80センチから2メートル70センチまで拡大されていた。

2階のテナントが撤退したため、150台のスロットコーナーが新設されていた。

増台だけではない。設備も最新鋭のものが吟味され、スロットコーナーには自動補給装置が導入されていた。

新井班長は同ホールが統一ゲージを採用したとき、1期生としてC&Eアカデミーでベーシックコースを受講した一人だ。ステップアップ講座を経て、今は全台のヘソ釘を担当している。

「だいたい150台ぐらいを任されています。ゲージはそうとうきれいに叩けるようになりました。同じ機種なら全台同じゲージになっています」と胸を張る。

ピーワールドで同ホールのホームページを覗いてみると釘に対する自信がこう表されている。

「当店、腕自慢の釘職人が釘1本1本に願いを込め、自信の調整。その技はまさに『匠』」とスーパー海物語のイベントの日を「匠海」の日と名づけるほど。

全スタッフは約30人。そのうち1/3が正社員で、釘は正社員になる登竜門として位置づけられている。

「C&Eアカデミーの統一ゲージを料理の世界に例えるなら、それまで砂糖ひとつかみの世界だったものが、15gの世界になった。モノの見方が統一できるようになった」と姜有司部長も評価する。

今では社内で釘を教えられる社員が育ってきた。現在8名が釘を叩ける。

つづく

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事例研究 「コア21」編 その3 [メディア掲載記事]

あれから2年半。 本誌2004年6月号の人材教育最前線で紹介した東京・江戸川区の「コア21」の追跡取材を行った。 同ホールはパチンコ営業の要である釘をC&Eアカデミーが推奨する統一ゲージでホールの再生を目指した。

2フロアーにリニューアル

「コア21」は都営「船堀駅」前にある。
隣接する競合店が523台に増台したことから、2万個稼働が2カ月間で9000個稼働までに落ち込んだ。

常連客からは「いつ潰れるの? 商売換えしたら」と屈辱的なことばを浴びせられた。

倒産するとまでいわれたいたがC&Eアカデミーで統一ゲージを学び、現場で実践。3カ月で3万個稼働を突破するところまで盛り返してきた。

あれから2年半。

かつては駅前エリアで5店舗がしのぎを削っていたが、今は4店舗に。

総台数237台だった「コア21」は、昨年8月に全面リニューアル。2階にスロットコーナーを新設して398台に増台していた。

取材に応じてくれた白河仁氏の名刺の肩書きは部長から専務へ昇格していた。

「安定稼働と安定粗利の確保を念頭に、競争に立ち向かいながら店舗運営ができた。会社の存続をかけてトータルバランスを取りながらやってきた結果、銀行からの信用も得られ融資も受けられるようになった。この2年半取り組んできたことは無駄ではなかった」と穏やかな口調で語り始めた。

つづく。

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事例研究 「コア21」編 その2 [メディア掲載記事]

釘を任せることでモチベーションが上がり人材活性化に

白河部長自身3年ほど釘を叩いているが、技術には一抹の不安があった。釘による人材の活性化を図ろうと門を叩いたのが東京・上野にある「C&Eアカデミー」だった。1月19日、自らが受講したベーシックコース5日間は衝撃の連続だった。

「今まではメーカー指定のゲージ表でピッチを揃え、ヘソの開け閉めでスタートを調整していましたが、入校して今までやっていたことが一瞬のうちに打ち崩されてしまいました。まず、釘に対する考えの甘さを痛感させられました。釘1本1本に対する情熱、真剣さがものすごく伝わってきました。ゲージを全部きれいに揃えると玉の流れもある程度同じものが作れるようになった。これは衝撃的でした」(白河部長)

その後1ヵ月おきにマネージャー、釘調整未経験の班長2名がベーシックコースを受講する。

釘歴10年の新任マネージャーも「盤面の上段、中段、下段によって釘1本1本の角度を違えながらきっちり揃えることに徹することが、今までの自分にはなかった」と反省する。

白河部長が釘を重要視するのは、7月以降の主力機となる新内規に対する先行投資でもある。バラエティーに富んだ機種が出てくれば、スタートの開け閉めだけでは対応できなくなる。その時が来ても慌てないように釘による差別化を図るための土台作りである。

2月18日には統一ゲージを実践するためにオフィスジャパンの釘幅管理コンピュータ「スーパーチャンサ」を導入。

「これまでのコンピュータでは寄せの調整をやりましたといっても、それを証明する手だてがありませんでした。スーパーチャンサならいくらの釘幅でどこを釘調整したかも分かるのでオーナーサイドと現場の信頼関係の構築のためにも役立たっています」(白河部長)

3月にベーシック講座を終えた班長は早くも営業釘を叩く。

「きれいに釘が叩け、即戦力となっています。任せることで、釘に対する興味もどんどん出てきて問題点を追及する姿勢が出てきています。モチベーションが上がってきていますから人材活性化という所期の目的は達しています」(白河部長)とうれしい評価を下す。

4月現在、1月に比べ3000~4000個の稼働アップが見られる。平日でも3万個稼働を目指している最中で、それが達成できれば次のステップとして4万個を目指す。一時は9000個まで落ち込み「潰れる」とさえいわれたホールが、稼働率では地区2番手にまで回復してきた。

白河部長はステップアップ講座を終えたところだが、それでも釘教育はまだまだ始まったばかり。それが身に付いてきたスタッフが真の意味での“人財”となってくる半年、1年、3年後に同ホールがどのように成長していくのか注目していきたい。

今回の「コア21」のようなケースは、多くの中小ホールが抱える共通の悩みでもあろう。まず、白河部長のように経営サイドがいち早く気づき、行動を起こすことで従業員が育ち、会社も成長する。どんな大手ホールでも最初は1店舗から始まっているのだから。

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事例研究「コア21」編 その1 [メディア掲載記事]

業界メディアに掲載された過去の記事から釘教育の研究事例を紹介します。
以下の記事は2004年6月号のプレイグラフに掲載されたものです。役職は当時のものです。


競合店の増台で瀕死の状態に落ち込む

東京都江戸川区の都営「船堀駅」には5店舗のホールがしのぎを削る。

「コア21」(白河秀夫社長)は、そのうちの1軒で総台数273台。営業歴は6年。現在運営するホールは同店のみ。

現場を預かる白河仁部長(31)は、パチンコ未経験から業界に参入して5年。社員6人、アルバイト16人で運営している。

無風状態だった駅前のパチンコ勢力地図が激変したのは今から2年前の8月。同ホールの一番の競合店が大幅な増台(523台)を果たした。

影響はすぐに現れた。2万個あった稼働は9月には1万5000個まで下がる。10月は1万ラインを割り9000個まで落ち込む。売り上げも300万円という地獄の月が2カ月ほど続いた。

馴染みの客からは「いつ潰れるの?  商売替えしたら」と屈辱的な言葉も浴びせられた。増台の余波で同業者からも一番最初に潰れるのは「コア21」というのが衆目の一致するところだった。

眠れない日が続いた。

一縷の望みを釘に託し朝まで叩いたが、歯止めはかからなかった。仲間の先輩からは「店の責任者が釘しか見ていないから稼働が上がる訳ない。もっと全体を見て分析しなければ」とアドバイスされた。

年末、地区のトップを切って新海物語を導入した。効果は絶大でパチンコの稼働が上向いてきた。2月なっても稼働は下がらなかった。この間、自店に足りないものを模索し、ライバル店に勝つ工夫を考え3月、リニューアルに打って出た。

「一番足らなかったのは従業員の意識でした。お金だけもらっていわれたことだけをやればいい、という社員が多かった。

会社を変えるにはトップが変わらないとダメということにも気づき、改装を機に『僕について来れない人は辞めてもいい』といったら、マネージャー、サブマネージャーなど社員6人中4人が辞めました。彼らが上に立っていたから、僕の考えもアルバイトに伝わっていないことが分かった。結果的にはこれで組織が入れ替わった」(白河部長)と新たな決意でリニューアルオープンした。

一番に潰れるといわれていた同ホールは生き残ったが、他の1店舗が閉店に追い込まれた。

つづく

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ワタリで玉の動きを演出する その2 [釘]

いくらワタリの角度を変化させても、釘1本1本がバラバラでは意味がありません。

釘傘を一直線でそろえると同時に、釘の左右角をそろえることで安定して釘の箇所に玉を弾ませることができます。

そして、技術を数値化することで、誰でも作成することができ、各台ごとのバラツキが軽減できます。

図解

一つのブロックを直線として考え、その凸凹と歪をなくします。

悪い例
ひねり1.JPG

ひねり2.JPG
凸凹している
ひねり3.JPG
各釘が曲がっている

[右斜め下]

メンテナンス後の理想的な釘

ひねり4.JPG

ひねり5.JPG

すべての釘を揃えることで玉のバラツキを軽減して、安定した玉飛びをすべての台で提供することができます。

一見、難しそうですが技術を数値化することで誰でも作成できるようになるノウハウが、C&Eアカデミーにはあります。

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ワタリで玉の動きを演出する その1 [釘]

ひねりゲージのことをこれまで文章で表現してきましたが、分かりやすく図解にしてみます。

通常のワタリ釘はこのように一直線で並んでいます。ここでのワタリ(道釘)とは、スタートチャッカーへ向かう数本の釘が連続しているブロックのことをいいます。

そのブロックの端と端の釘を違う角度で結んで、強制的にワタリのブロック自体の角度を特殊なツールを使用して変化させることをいいます。

そして、釘傘を一直線で結ぶことで、新しい傾斜の道釘を生み出すことが可能になります。

ワタリとは別名「道釘」といわれています。言葉通りスタートチャッカーへの道筋なのです。その道筋が急な坂だったどうでしょう。

ゲージ.JPG
【ひねり前】

[右斜め下]

ゲージ2.JPG
【ひねり後】

これをこの図のように命釘に近いほうから少しずつ角度を変えていくわけです。

これによって玉のスピードをコントロールすることができますから、「命釘まで届かない」「命釘に絡まない」といった玉の動きを軽減することが可能になります。

ゲージ3.JPG
【ひねり前】

ゲージ4.JPG
【ひねり後】

このように傾斜角度が緩やかになれば、玉のスピードが殺されることはイメージできたかと思います。

つづく

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ひねりゲージで稼動は必ず上がる!その3 [釘]

パチンコ営業での顧客接点とはどこでしょうか?

礼儀正しい従業員でしょうか?掃除の行き届いた清潔な店舗でしょうか?

私が考える顧客接点とは、盤面に打ち込まれた1本1本の釘だと思います。この顧客接点の真の解決ができて初めて、稼働が上がりお客さまを増やすことへとつながっていくわけです。

礼儀正しい接客だけでは、売り上げは上がりません。

1発打ってみて、2発、3発と打ちたくなる。1000円使ったらもう1000円使いたくなる。お客さまが喜んで楽しんでもらえるためには、やはりスランプのない台を提供することです。

今の元ゲージをそのまま叩いてもダメです。それを業界全体で使っているからお客さまが減っているわけです。

何度もいいますが、その解決策となるのがひねりゲージです。

古い釘師の中には「ひねりゲージは邪道」と否定する人も少なくありませんが、心地いい玉の落下速度に味付けすることがひねりゲージで、お客さまは小刻みに動く玉の流れを目で見て楽しむことができます。

オフィスジャパンを興して10数年。この間、釘教育だけではなく、人材教育やBS経営やPL経営などファイナンスや財務面まで教育の幅を広げてきました。

私自身、最近になって「お客さまとは一番遠い部分へ領域を延ばしていた」と気づいたのです。

お客さまと直結する部分といえば「釘」です。現場での釘のスキル低下が目に付き、オフィスジャパンを興した時の原点に帰ってきました。

財務体質がしっかりして資金調達ができて、機械が買えるようになってもよそができれば、それは差とはなりませんが、パチンコ営業の基本である釘ができれが、会社の問題の70%は解決できます。

仕入れた食材をおいしく、たくさんの人に食べてもらうことがPL改善につながり、BSにつながるのです。

つまり、釘1本の顧客満足を作ることが、利益の積み重ねになるのです。

ここを今一番やらなければならない。

会社の理念が釘1本、1本に魂として打ち込まれているか、ということです。

これこそがコア・コンピタンス(Core Competence)。 他社に真似できない核となる能力となるのです。

3月から社員教育に入り、6月からひねりゲージを実践しているホールが九州にあります。ここは入る前は1万3000個稼動でしたが、ひねりゲージを実践するようになって1万8000個稼働まで上がってきています。

ここでは元ゲージとひねりゲージの2つを作って試し打ちをしたところ、100人が100人ともひねりゲージの方が心地いい、と。打つならひねりゲージ、という評価をもらっています。

ところが、ひねりゲージは「甘い」というのが大方の見方です。ゲージが甘いというのは、業界では利益が取れない=使えないことを意味します。

そこでホールは利益を取るためについつい辛いゲージにしてしまうのですが、この行為こそが不味い料理を提供して、お客さまに「来るな!」といっているようなものです。

甘い、といわれるひねりゲージで利益が取れるようにするには、釘の技術が伴わなければできません。

つづく

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ひねりゲージで稼動は必ず上がる!その2 [釘]

メーカーから出荷されたパチンコ台は、釘の傾斜角度で3~7度のバラつきがあるほか、命釘の根元の幅も11ミリを下回ったり、風車も左右にずれていたりで、釘打ち機の精度にそもそもの問題があります。

パチンコの利益は玉1個を弾いてもらうことから始まるので、料理でいえば、与えられた素材に対しておいしい味付けをしなければなりません。

にもかかわらず、パチンコ業界は与えられた素材をそのまま提供しているようなもので、釘に対する探究心がまるで足りません。

まずい料理を提供し続ければ、レストランであれば客はやがてはいなくなります。まさに今のパチンコ業界全体の現状がこれで、客離れが加速しているのは世界的不況や5号機問題だけではない、ということです。

玉が小刻みに弾み、お客さまが心地よく感じ、安心して打てる味付けのある釘の提供ができていないからです。

業界全体でまずい料理を出せば、お客さまがいなくなるのは当たり前です。

各店が与えられた素材をどう調理して、おいしく食べていただくか。

この競争が釘調整です。

パチンコ台を打って心地よく感じることは、食べておいしいと感じるのと同じことです。

ひねりゲージの話に戻りますが、東京にこれを実践しているホールがあります。

以前は9000発稼働のホールで、地域では閉店のうわさが絶えないホールでしたが3~4年かかりましたが今は3万8000発稼働で地域一番店になっています。

そのホールはひねりゲージを実践して1年以上が経過しています。去年、洞爺湖サミットで業界全体が機械の入れ替え自粛をしました。

この時にライバル店と明確な差が出ました。

機械入れ替えをしない同じ土俵で戦うと、稼働で1万発の差が出ました。

ひねりゲージは打って心地いいから、お客さんがもう1000円、もう1000円と粘っていただけるわけです。

つづく

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351位からのスタート [雑記]

人気ブログランキングのパチンコのカテゴリーに登録しました。
初日は351位からのスタートです。
あらい.JPG
このランキングが上がって行くには私が書く内容と更新の頻度次第。

すべては自己責任です。

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