自我状態から学ぶマネージメントその④ [幹部研修会]

私の自我という状況を分析しなければいけません。

他人の心の部分は分からないものですが、管理職は分からない部分も見ていかなければなりません。

TAという心理学を研修でも応用しています。TAとは、Transactional Analysisの略で、アメリカの精神分析医、エリック・バーン博士によって提唱された人間行動に関する理論です。簡単に言うと心を見える化して数値化したものです。

人は誰でも心の中に5つのキャラクターを持っているといわれます。
まず、一つ目の「CP」は、厳しいけれど正義の味方のお父さん。
二つ目の「NP」は、暖かくやさしいけど、少し甘やかし気味のお母さん。
三つ目の「A」 論理的、客観的なしっかりものの大人。
四つ目の「FC」は自由奔放でワガママだけど創造力のある子供。
五つ目の「AC」は、従順で協調性のある、少し引っ込み思案な子供です。

人間は生まれたときはFCの塊で生まれます。そこから3歳ぐらいまでにFCとACが出てきます。FCが押し付けられたとき、ACのエネルギーが出てきます。

これでCPの強い親の元で育った子供はACしか出なくなります。親の厳しさに順応はします。厳しい親に育てられるといい子でいようとするのですが、内面的には反抗心があったり、自分はダメな人間なのだとクヨクヨする感情を持ってしまいます。

FCは親がNPだと反応します。

「あなたはいい子ね」とかわいがられ、自分は親から愛されている、と自由奔放に育ちます。「I am ok」という感情です。

逆に「お前はダメなやつだ」といわれ続けて育つと「I am not ok」という感情になります。この2つの感情が行ったり来たりして、どちらが強いかでその人の特徴が現れます。

CPが一番強いと口うるさく、厳格です。いい面は几帳面でルールを守る。理想を求め、志も高い。それだけに、現実と理想のギャップで、できていない場合は叱り過ぎる面があります。

NPは人間の愛情の部分です。人に対するメンテナンス機能で、困っている人を見るとついつい助けてあげたくなる。できない子がいると応援したくなる。褒めて、助けてあげたくなる。

リーダーにはCPとNPの両方がある一定の高さで備わっていなければダメです。親の自我の状態でなければ部下は育成できません。

こうしたリーダーがいない会社の生産性は低い。

職能や技能以前の話で、人間力としての問題です。

AはCPとNPのコントロールタワーです。自分の中の冷静な部分で、これがなければ、計画的に目標は立てられません。

月間、週間、日別の目標があって、各機種ごとの個別台の調整がある。アダルトの部分が低いと大雑把になり、個別台の調整も面倒くさくなる。

アダルトという自我状態を高めていないから、物事が分からなくなる。アダルトの低い職人が業界にはい一杯います。

FCは人間本来の生まれたままの姿です。インスピレーションがあって、アイデアマンで、何事にも興味を持って、挑戦します。

新たな物事に挑戦する場合、FCの高い人は興味を持ちます。怖さよりも見たいもの見たさです。

ACが高い社員が多いと自ら進んではやりません。いわれたことしかできません。

人間というのは分かりにくいものです。心の状態を数値化して、他人の心を客観的に分かり合えるものは他にありません。

人間の分かりにくい、心の部分が分かるのですから、釘を分かるようにすることは、それに比べると簡単なことです。

釘もこれまで見えなかったものを数値化して見える化したのが統一ゲージです。

統一ゲージは単純にゲージを統一するものではありません。見えない心を見える化するように、見えない釘を見えるようにしたものです。

釘に対してひたむきにやると、お客様に対して釘が曲がっていると「不快な思いをされる、そんなことではいけない」と思いやりの心が生まれます。

まず、お客様に喜んでいただける釘に似興味を持ち、日本一の釘にしようとする志を持つことです。そのためには毎日訓練して、どのようにすれば、どのような成果が生まれるか探究心が生まれます。

TAと釘もすべて結びつくものです。



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