10年目の温故知新① [メディア掲載記事]

以下の記事は今から10年前、オフィスジャパンを興す前、釘幅管理コンピュータに出会ったころ業界誌に掲載されたものです。 温故知新。10年目の節目として改めて採録します。

ホール経営の難しさの中で、優秀な釘師の確保・育成が困難なことが挙げられる。

中でも多店舗展開の基本はマニュアルを作成し作業を標準化することで、誰がやっても同一レベルの仕事ができなければならない。

接客教育などなら可能だが、こと釘調整に関してはパチンコ業界では“聖域”視されている。

基本的なハンマーの持ち方、釘の叩き方は教えられても、釘調整結果を判定するモノサシ自体がないため、調整技術の評価のしようがないのが現実だ。そのために釘調整の標準化を図ることが困難とされていた。

例えば、ゴルフも道具の進化とともに技術も進化してきた。パチンコ産業はコンピュータ化が一番進んでいるといわれながら、釘調整の分野だけが20年も30年も昔の方法が脈々と受け継がれている。

釘幅とスタート回数をデータで解析、釘調整作業を理論立てて体系化することで、誰でも同じ釘調整ができるようにした釘幅管理コンピュータシステムが開発された。

同システムは、高精度のハイテク測定器を使って、新聞紙1枚分の釘幅を管理する。あいまい不明瞭だった釘調整結果を数値(データ)に残すことにより、釘幅とスタート平均回数の因果関係が明確になった。

つまりパチスロの設定管理のように、釘幅でスタート管理ができるようになった。しかし、ただの釘幅測定かというと、そういう範疇に止まらない。

モノの見方、考え方が変わり、結果が出るので行動までもが変わる。

釘師の育成で悩んでいたホールの問題も解決してしまう。

システム導入によって会社のシステムを大きく変化させるツールである、という。

「ショックでした。釘を叩いて10年になります。板ゲージと玉ゲージでプライドを持って釘調整をやっていましたが、実際に釘幅管理ツールで測ってみると違いがはっきりと数値で表れる。釘幅を揃えたところでパチンコ台はねかせの角度も違えば、役モノも違う。最初はシステムが100%正しいとは思わなかった。しかし、釘調整の目安となる基準が必要なことを痛感したので導入に踏み切りました」と語るのは佐賀「ビッグウェーブ」の黒川福哲部長。

導入から1年以上が経過した。当初は経営管理コンピュータの導入計画を立てていたが、導入ホールを視察して「人材を育てることができる」と判断して釘幅管理システムの導入に踏み切った。

従来の方法では釘調整の指示の仕方は、甘め、辛め、強め、弱めと実にあいまいだった。

そういう指示の方法では個人差があまりにも大きく。結果が同じになることの方がおかしい。加えて調整器具の精度にも問題がある。

これを常に数値で指示するのだから、誰がやっても同じ結果が得られる、というわけだ。

「板ゲージ時代はアバウトでした。12:00の板ゲージで叩けと指示しても、釘幅測定器で測ってみるとスカスカがあったりキツメがあったりバラバラ。釘幅測定器は調整した結果が数字で出るので一目瞭然。言い訳もできません。例えば、12:30で基準を作ってしまえば、後はそれに合わせるだけですから、バラつきもなく部下にも釘を任せられる。管理するほうは楽になりました。今まで釘幅測定器なしで営業していたの営業はできるのでしょうが、こだわりの数字を追求するために、はもはや釘幅測定器なしでは営業できません」と評価する。

取ってはいけないときに取ることも客を逃すロスだが、取るべき時に取らないこともロスである。

つづく



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