モノから人へシフト――人材活用が企業間の差を開く その2 [メディア掲載記事]

新井 広域出店型はスケールメリットの追及ですが、地域密着型は質の追及ですね。お客さんとの繋がり、コミュニケーション、信頼関係をいかに図っていくか。どちらがいいのかは日本は市場経済なので最終的にはお客さんが決める。そこから切り口が見えてくる。お客さんが「嫌」だといえば退場するしかない。

清水 パチンコ業界は変化の多い業界です。形態もどんどん変わって行くので流れには乗り遅れたくない。さらに、その流れの先を進むという意識を持って会社を運営していくには、人の能力、質が一番重要な部分になってきます。

新井 20世紀のパチンコ業界は人が主役として登場してこなかった。あくまでも装置や設備、立地が主役で人はあくまでも従の立場だった。だから人材は求めなかった。一昔前は人材という発想ではなく、“人手”だった。人に期待しなくても右肩上がりで確実にマーケットは大きくなり、度胸のある経営者がやってこれた。こんな単純な経営では立ち行かないことが今はっきり突きつけられた。マーケットが縮小する中でいくら立地がよくて、立派な装置を入れても今までのように業績は上がらない。今は人の能力によって会社を興す必要がある。そうすると経営者が信頼され、尊敬されなければならない。給料だけの雇用関係では伸びない。常々、私はパチンコ業界に人の問題を提起しています。それは業界を質の高いものにしたいからです。過酷な環境からパチンコ業界を育ててきた先代には敬意を表しますが、2代目にはいわせてもらいます。「食うためだけに会社をやっているのではない」と。親から受け継いだ会社を進歩、発展させる使命がある。社会から尊敬される業界を作って行く。そのためには社員教育が必要になってくる。

清水 21世紀は淘汰の時代です。現在の店舗は立地や設備を見てもほとんど差がない。それでは何で差がつくのか。ある大手は玉箱を運ばないセルフサービスという戦略を打ちだしている。これはこれで一つの考えだと思う。それに対して、逆にもっとサービスを打ちだす考え方も出てくる。一昔前は新店優位で新店が一人勝ちしていました。最近は新店がオープンしてもお客さんは平均的に流れてしまうケースが非常に多い。お客さんの選択肢が広がったことは確かですが、店舗に差がないからそういう状況になってきている。新店優位の図式が変わった現在、当社の武器は人材教育しかない、という方向性が本当に見えてきました。隣に新店ができれば昔の経営者は改装したり、玉を出したりして対抗しましたが、これからはもっと新たなスタンスが非常に重要になってくる。それが今回導入した本部システムでした。

新井 パチンコ産業は石炭産業のように完全に淘汰されることはありませんが、いくら巨大資本であっても手を抜くと淘汰されます。生き残る条件は遵法精神と人を育てているかどうかです。



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